ご存知、1999年に大ヒットした映画。そしてその後に続編が2編ほど作られ、その評価をどん底まで落としたシリーズでもある(少なくとも俺的には)。というか、MATRIX1は超名作だったと思う。続編が作られなければ。アクションシーンはまあどうでもいいんだけど、あのメタファーといったら。
主人公ネオは感じている。日常が、何か、違和感を感じるような、本当のものではないような、歯の奥に何かが詰まっているような、そんなおかしな状態にあると。焦燥感、刹那、重圧。または二重の皮膚、自分の手ではない手、本当に生きているのか、それともそうではないのか、その孤独。
少なくともわたしにとってはシュールレアリスムの世界だった。マトリックスの世界(コンピュータによって作られた幻想の世界)はまさに、人々が現実の世界に対して感じる何らかの違和感を見事に表現していた。そしてそのメタファーは飛躍し続け、可能性を広げ、意志というものにフォーカスし、その力を信じた。
序盤のマトリックスの世界から抜け出るまでの描写が素晴らしいし、2つのお気に入りのフレーズがある。Don't think you are. Know you are.(自分が何であるか考えるな。ただ知れ)。そして、He begun to believe.(彼は信じ始めた、自分を)。人にはそんな時があっていい。今までやってきたことと、そして未来を、信じ始めていい。
信じ始めてから、未来は開けるのだ。
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