Wednesday, March 29, 2006

blog - じゃあさらについでに、もっとも幸福だった思い出について

書いてみるよ。今家にいるから。


若かったとき、こんなことがあった。夕刻、彼女と2人で公園のベンチに座っていて、そしたら、小さな女の子を連れた若い家族が目の前を通り過ぎようとしていて、突然、その女の子がこちらに向かって走り出してきた。

俺は手を広げ、その女の子を抱きかがける風をした。しかしその女の子は俺たちが座っていたベンチの横にあるゴミ箱にゴミを捨てに走ってきただけだった。わたしの両手は空を切り、空を抱きしめ、空間は一瞬とまった。

女の子はきょとんとし、その父親と母親は笑みを浮かべた。彼女も笑った。俺は苦笑いし、そして笑った。その瞬間、その空間は何ともいえない幸福な雰囲気に包まれた。ま、彼らはそのまますぐにそこを立ち去り、僕らもすぐに次の話題に移っていった。

その空間とその時間は世界のほとんどの人が知らない空間と時間であったけれど、わたしの心にはそれからも大きく残り続け、思い出は思い出を呼び、わたしの最も尊重する時間と記憶になった。たくさんのいろいろな経験をしてきたけれど、あのときほど、幸福感を感じられたときはなかった。


ピエロ?

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