Friday, September 01, 2006

blog - 酒との闘い⑤(最終)

闘いは終わった。大学時代、この正常な精神を失わせる不思議な液体に対して、果敢に勝負を挑んだ。酒に強くなるため、筋トレを行うが如く、バーボンをストレートで飲めるように舌と喉と胃を鍛えた。しかし正気までは、保てなかった。

社会人になってからも克服への挑戦は続いたが、酒にこなれて来れば来るほど、意志の強さは弱まっていった。財布をなくすこと4、5回。タクシーで帰らざるを得なくなったこと5、60回。喧嘩したこと3、4回。ひどい二日酔いになること、最低月1回。

親が両方とも飲むし、なまじ肉体的には酒というものに対して強いから、つまり人より圧倒的に多くの量を飲むし、気持ち悪くなることもないから飲みすぎてしまうし、その負けず嫌い?の気性が出て、記憶を失うまで毎回飲んでしまう有様だった。


しかし、闘いは終わった。酒に闘いを挑むこと自体、無意味なことであったのだ(これは当たり前か・・・)。そして酒を飲むという行為自体、無意味なことだったのだ。慣習、付き合い、惰性、固定観念。これらによって人生に酒は欠かせないものだと思い込んでいたのだ。

闘いは終わり、自由を謳歌する。13年かかって、やっとここまで来た。人生においてやるべきことが明確になりつつあり、自分の役割を考え、他者との共存に思いを馳せ、毎日念じ、毎日上方を志向し、毎日もがき苦しんできた。機は熟し、最高の形で30代をスタートできそうだ。


こんな素晴らしい結末が待っていることなど、思いもよらないことだった。人生は不思議だ。

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