Wednesday, June 28, 2006

blog - ブラジル戦の日、徹夜した理由(わけ)

日本語ブログと英語ブログの投稿の数は現在3対1くらいだ。1年後には逆転していることを願おう。さて、ブラジル戦の日、結局徹夜で出勤して、来客とかあったからかなりつらかった。もういい年なんだから、規則正しい生活が生み出す心地よい継続性(?)を掴むこと。

なぜって、イタリア対チェコ戦の後、寝ようと思ったんだけど、寝れなかったからだ。なぜ寝れなかったかというと、今の家でTVが映らなくて実家に帰っていたんだけど、その実家で、昔読んでいた『エースをねらえ!』を熟読してしまったからだ。気づいたらもう日本対ブラジル戦がはじまる直前だったからだ。

『若きウェルテルの悩み』など、わたしの人生に強烈な影響を与えた本は少なからずある。ただそれは、太宰治やゲーテやトルストイなどの文学作家に限られると思いきや、実はこの『エースをねらえ!』などの漫画も含まれているのだ。見ていない人は見るといい。上戸彩のドラマなんかと一緒にしちゃだめだよ。

号泣というか、泣いていないんだけど、なにか号泣してしまうのだ『エースをねらえ!』を読むと。久しぶりだったというのもある。しかも宗方コーチが亡くなってしまう直前から読み始めたというのもある。岡ひろみが泣き崩れ、そこから復活する話というのもある。

さすがに30代という成熟した目であの漫画をみると、構成や脚本にいくつかの欠点を見出すことはできる。しかしあの作品の根底に流れる確固たる思想は、もうしばらく、おそらく50代くらいまでは、わたしを度々感動の状態に押しやるだろう。それくらいちょっといいのだ。

この作品の根底に流れているのは人間性への描写であり、極みへの挑戦についての過程の描写だ。素晴らしい人格と、素晴らしい関係を高らかに謳った文芸作品だ。人はいかに生きるべきかといった根本命題に対してのテニスという媒介を使った作者からのメッセージだ。

度々、次の詩が登場する。

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この一球は

絶対無二の一球なり

されば身心をあげて  

一打すべし

この一球一打に

技を磨き

体力を鍛え

精神力を養うべきなり

この一打に今の自己を発揮すべし

これを庭球する心という


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もう言うことはないでしょう。人生というのは複雑怪奇で、しかも一本通っている。

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